自然情報

ヤクシカおもしろ生態写真館

 このコーナーでは、ヤクシカの知られざる生態を、写真を通して紹介します。
目次


食べ物
食べ物(アブノーマル編)
恋と闘い
サルとの関係


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屋久島の地質


屋久島の気象・気候

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ヤクシカの食べ物



 ヤクシカは、暖かな南の島で、おいしいものをたくさん食べて恵まれた暮らしをしているとお考えの方が多いのではないでしょうか?実際には常緑樹の森に覆われた屋久島は、下草が少なく、結構慎ましやかな生活を送っています。このため本土では食べないような植物を含め、ほんとどの植物を食べて暮らしています。他にはキノコなども好んで食べます。
 食べない植物をあげる方が簡単で、サザンカ、センリョウ、ホソバカナワラビ、ハスノハカズラ、コケなどは食べないようです。しかしこれも現時点での話で、西部地域ではシカ密度が増えたために、これまでは食べないと思っていた植物もつまみ食いするようになってきています。そういう意味では、シカは実に柔軟に食べ物を変えていくことができる強者です。
 屋久島では、下草が少ない分、写真のように樹木の葉っぱが重要な食料源になっています。しかし届く範囲の葉は、既に食べ尽くされており、背伸びしなければなかなか届きません。
場合によっては角でたぐり寄せて、枝を折って食べているものもいます。→動画を見る
 そうなると、落ち葉拾いが主食となってきます。台風などで葉が落ちたり、木が倒れたりすると、天からの贈りものとなります。
 写真はハリギリの葉っぱを拾って食べているところです。

 黄色くなっていたり、茶色くなっていたりする落ち葉も食べています。

→動画を見る
 でもいつも神風が吹くわけではありません。
 普段はどうしているかというと、シカ密度の高い西部地域では、サルの下でおこぼれを待っています。
 サルは木に登ることができるので葉っぱや木の実は不自由なく食べることができます。その分お行儀が悪いので、食事を始めるとぽろぽろとこぼします。それを待っているのがヤクシカ達です。

 写真はハドノキの下でサルのおこぼれを待っているシカの姿です。
 とはいえサルカニ合戦と同じで、本当に美味しいところは、サルが食べてしまいます。シカにまわってくるのは、青いマメガキだったりします。

 またサルの休憩中には、サルが頬袋から出した木の実の種子を拾って食べたりもしています。
 もう一つ重要な食物に樹皮があります。
 北の方では冬の食べ物がない時期に木の皮を囓ると言われていますが、屋久島では7月、8月が主な食べ時です。
 そうすると食糧不足が原因とは思えません。写真のように樹皮を囓るのは、主にオスジカです。オスジカにとって7月、8月は角を固める大切な時期です。
 ひょっとすると樹皮に含まれるミネラルと角形成になんらかの関係があるのかもしれません。

 写真はホソバタブの樹皮を囓る袋角のオスジカです。