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屋久島の位置と取り巻く環境
屋久島は北緯約30°、世界的に見るとエジプトのカイロやアメリカのニューオーリンズと同じような緯度にあります。
屋久島の気候・気象に大きな影響を与えているものに、黒潮があります。赤道近くで暖められた暖かな海水が、大きなの流れとなって大陸沿いに北上してきます。フィリピン・台湾の東、沖縄・奄美の西を通った黒潮は、屋久島の栗生あたりにぶつかり、太平洋へと抜けます。
この黒潮の影響を受け、1年を通して寒暖の差が少ない屋久島では、夏は涼しく、冬は暖かい、温和な気候となっています。
また屋久島沿岸はサンゴ礁の北限海域となっており、屋久島の亜熱帯的な自然を形作っています。
屋久島の気温の垂直変化
屋久島の年間平均気温は、平地部で約20℃と、年間を通して暖かく、霜の降りない無霜地帯となっています。
しかし屋久島には、約2000mにもなる高低差があります。山へ登ると100m登るごとに、気温が約0.6℃下がると言われています。山頂部を標高約2000mとして計算すると、平地に比べて約12℃ほど気温が下がる計算となります。単純に計算すると、平地部の年平均気温が20℃ということは、山頂部は、年平均気温が約8℃と予測されます。
ちなみに、年平均気温が8℃の都市を探すと、北海道の札幌市がちょうどそのくらいになります。屋久島の中に、北海道から南九州までの気候がすっぽりと収まっているというわけです。
この高低差が、夏の過ごしやすさにつながっています。
海に囲まれた屋久島では、昼は海風が、夜は陸風が吹きます。
この陸風が、標高2000mから吹き降りてくるので、屋久島では風通しの良い家に住んでいると、真夏でも寝苦しいことはありません。日中も風があるので、木陰に入ると快適です。
ついでにカヌーや沢登り、ダイビングなどで水遊びをして過ごせば、全くの暑さ知らずです。
東京や大阪から来られたお客様も、屋久島に来ると避暑に来たみたいだとおっしゃる方が少なくありません。南の島の避暑地で、のんびりと快適な夏を過ごしませんか!
屋久島の季節変化
屋久島は、「1月に35日雨が降る」といわれるように、雨の島です。しかし、雨の降り方は、地域によっても、季節によっても、違っています。
全般的には、島の東側が雨が多く、西側が少なくなっています。ちなみに年降水量は、島の東部の安房が4300mm、西部の永田が2600mmと地域によって2000mm近い差があります。
季節的には、12月から2月くらいまでが冬で、北西の季節風が強く吹きます。この頃は、島の北部は強風が吹き荒れ、冷たい霧雨やみぞれが降ったりしますが、南部ではポッカリと晴れ上がり、暖かな陽気となります。北と南で上着一枚違います。
3月は「木の芽流し」といって、春雨前線に伴う長雨となります。この雨とともに、照葉樹の新緑が日一日と鮮やかさを増していきます。新緑の季節が屋久島が最も輝く季節です。
6月に入り、山にシャクナゲの花が咲く頃から梅雨となります。概ね6月一杯が梅雨ですが、6月下旬は梅雨末期の豪雨となることが多く、観光向きではありません。
7、8月は太平洋高気圧に覆われ、概ね晴れる日が多くなっています。但し
台風
が来ると話しは別で、一転大荒れの天気となります。
特に9月は
台風
のリスクが大きく、いつ台風が上陸してもいいだけの覚悟がいります。
10、11月は移動性高気圧の影響で、秋晴れの日が多くなりますが、時折豪雨も降ります。
服装は、里での目安です。山では上着1枚余分に必要です。
海の季節変化
海の季節変化は、陸上とは少し違います。
12月の寒波の訪れとともに、海水温がどんどん下がり、見ることができる魚の数も減ってきます。
冬は、5mmのウエットでは少し寒いので、中にインナーを用意したいが、ドライスーツを着るほどのことはありません。
春の訪れは、陸よりも遅くなっています。
春の大潮は、よく引くので、浜で磯もん採りをして、一杯やります。
かつては屋久島沿岸の海藻に、「時季トビ」といってたくさんのトビウオが産卵にやってきました。
5月、水温の上昇とともに、魚が戻ってきます。6月になるとほとんどの魚が出そろい、またにぎやかな海が戻ってきます。
5月の中旬から7月一杯は、海亀の産卵シーズンです。産み付けられた卵は、約2ヶ月で孵化して海へと帰ります。いずれも夜のことです。
夏場は3mmのウエットで十分です。