安房城の発掘調査をお手伝いしています!2/8
松峰大橋が見える安房川右岸の台地に安房城跡と呼ばれる遺跡があります。
安房川と滝之川に囲まれ、山手には堀や土塁が設けられており、守りの固そうな山城の様子です。
今回は、その一角の発掘調査が、屋久島町により実施されています。
四角く囲った範囲を掘り進めていくと、
たくさんの磁器や須恵器が出てきます。
最も多いのが中国の白磁で、専門家による鑑定の結果から、12-13世紀の宋の時代のものだそうです。青磁もでます。
鹿児島県内で、この時代の磁器がたくさん出てくることは普通ではないそうです。
カムィ焼(写真上)は、この時代に徳之島で焼かれた須恵器様の陶器です。
また今回の調査では長崎県の滑石でできた石鍋(写真上)も出土しました。
中国産磁器とカムィ焼、そして石鍋がセットで出土するのが、この時期の南島の遺跡の特徴で、カムィ焼が容器、石鍋が調理具、磁器が食器と考えられているようです。
石鍋は、ヤコウ貝と交換されたともいわれ、これで螺鈿細工の原料を買っていたという話もあります。これで朝鮮半島から伝わった石焼ビビンバを食べていたのでしょうか?
これらの遺物からすると、ひょっとするとこの安房城跡が、この時代の宋、琉球と九州本土とを結ぶ交易の中継拠点であったという可能性が考えられます。
一方では、倭寇(海賊)のアジトだった可能性も考えられます。
発掘調査をしていると、掘り返した土の中から出てくる虫を狙ってメジロやシロハラがやってきます。このメジロはすっかり馴染みとなって、手の届きそうなところまで平気で寄ってきます。
発掘調査は、なかなかの肉体労働で、たいへんなのですが、このメジロ君が癒してくれます。