屋久島の謎

太古の火山灰


楠川の道路工事現場にて


現在屋久島の山塊を形作っている花崗岩は、今から約1400万年前にできたといわれる。
しかし花崗岩はマグマが地下深くでゆっくりと冷えて固まった岩石である。
従って1400万年前は花崗岩自体は地下深くにあったことになる。
それでは、屋久島が屋久島となったのはいったいいつの頃であろうか?
屋久島の年代を知る上で鍵となるのが、近隣の火山からやってきた火山性の堆積物である。
最近では6300年前に鬼界カルデラが大爆発し、幸屋火砕流が全島を覆っている。
写真ではよくわからないが、最上部のローム層には22000年前には桜島の北側の姶良カルデラの噴火で、AT火山灰の層がはさまっているはずだ。
95000年前にも、鬼界カルデラは爆発しており、この時も西之表火砕流が屋久島を襲っている。
これまで知られていた最も古い火砕流は、小瀬田火砕流と呼ばれるもので、どこから来たものかは定かではないが、約30万年前に堆積したと考えられている。屋久島の歴史が30万年前まで溯れるのである。
今回は鹿児島県立博物館の成尾学芸員とご一緒することができ、楠川の道路工事現場で、小瀬田火砕流よりもさらに下に白く風化の進んだ粘土状の火山灰層を見つけた。
これがいったいいつの時代のもので、どこからやってきたものなのか、また屋久島はいつから屋久島になったのか、興味が尽きないところである。


この太古の火山灰について何か情報をお持ちの方はご連絡下さい。
forest@ynac.com


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